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本標的の身代金ウイルスが急増 1000万円超被害も、自衛呼び掛け

 下記は、2017.3.7 付の産経ニュースの記事です。

                        記

 企業や個人の重要なデータを暗号化して読めなくし、元に戻してほしければお金を払えと脅迫するコンピューターウイルス「ランサム(身代金)ウエア」の被害が日本で急増している。やむなくお金を払う人もいるが、復旧できる保証はないという。サイバー犯罪者の間でもうかる「闇のビジネス」として定着しつつあり、専門家が自衛を呼び掛けている。

 ◆自然なメール文言

 「思い出の写真が見られなくなった」「書類が暗号化されて仕事ができない」。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の相談窓口には、こうした悲痛な声が相次いでいる。

 多いのは、宅配便業者などを装うメールが届き、添付ファイルを開くと感染するケースだ。「以前は英語や不自然な日本語だったが、最近は巧妙な日本語を使う攻撃が増えた。日本が明確に狙われている」。IPA技術本部の黒谷欣史研究員は指摘する。

 「基本的な暗号化技術が使われている」。ウイルスに感染するとパソコン内に「暗号鍵」がつくられ、次々にデータに鍵を掛けていく。その後、鍵はサイバー犯罪者の元に送られる。データを復旧できる鍵がほしければ身代金を支払えというわけだ。

 セキュリティー企業トレンドマイクロによると、2016年の被害報告件数は2810件で前年の約3.5倍に急増した。7〜9月が740件だったのに比べ、10〜12月は330件と減少したものの高止まりしており「17年は手口のさらなる凶悪化を予想している」(同社)という。同社が昨年6月に実施したアンケートでは、被害企業の6割が身代金を払い、中には1000万円以上というケースもあった。

 ◆ネットの闇市場

 特殊なソフトを使わないとたどり着かないインターネットの「闇市場」ではこの種のウイルスが安価に売られている。「永久に使えて39ドル」「多言語に対応」−。

 販売サイトには英語でこんなうたい文句があった。安い値段で売り、その後に身代金の一部がウイルス作成者に「山分け」される仕組みという。

 闇市場には個人情報も数多く売られており、不正メール送信を請け負う業者もある。トレンドマイクロの岡本勝之セキュリティエバンジェリストは「犯罪者の参入ハードルがどんどん低くなっている」と、さらなる被害拡大を懸念する。

 神戸大大学院の森井昌克教授(情報通信工学)は「日本への攻撃が突出して多い。日本人はお金を払うことが知れ渡ってきた可能性がある」と警鐘を鳴らす。

 「犯罪者に資金を渡せば新たなウイルス作成につながる。お金は払うべきではない」(岡本氏)。IPAやセキュリティー各社は、基本ソフト(OS)やウイルス対策ソフトを最新状態に保つことに加え、大事なデータをバックアップしておくよう呼び掛けている。

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 http://www.sankei.com/affairs/news/170307/afr1703070011-n1.html