内部

 

【内部】

 

 

やわらかさはまわりからすいこみ

いきかようたびおのれをたわめ

それがそれじたいをえがこうとしない

思慮あるまなざしに似て臥せ

たべものめいてくうきのようで

うちがわにくぎられないまちまちの

ふくらもうとするゆめまであり

ひとつのうつりとそれをいうなら

かわすじがこがねの円周をしるして

おおきくまわる異土のながめみたいだ

はねをもつそうもくととなりあうが

やわらかさにはつなぎめがなく

このことがあらわれをおおきくみせ

すこしさみしいおぼえをしいる

てのひらのなかであふれかえるが

そのてのひらをもやわらげてしまい

かこむものへ手をふりこたえると

あわいけものがいくつにもわかれて

いつのまにかさかいをこえており

ゆるやかさとさえおぼえまちがうが

遅速のちがいのないひそみこそが

やわらかいうつりにあるもので

うたわれるべくのこった詩の

ことばのあいだをひかりくぐもり

きづかれないほどのやさしさで

てんめつや伸縮がなかに繰られる

くぐもりなければやねもないのだから

やわらかさとはたかさがたかくなく

みずからをつたえひびこうとして

界がことなってしまったのかもしれず

なでさすりうるあまい霊肉をもち

しかもいつまでも死なぬひふで

のちには同心円とのみしるされる

まんなかにたましいのあったことが

水紋さながらにとじられるのを

ひくさではなくたかさにみて

つつまれていたのだとふるえた

やわらかいうたはつましさと

すこしばかりのうらがなしさと

よくぼうに誘うよくぼうとで

おのれのうちらへほのひかって

ねはん図のなかにいるのかどうか

図になってみないとわからなかった

 

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