本〜「贅沢貧乏のお洒落帖 」 森 茉莉 (著), 早川 茉莉 (編集)

友達の、双宝さんから、お勧め頂いて読みました。

悲しい事に、もっと早く読み始めて、読み終える予定でしたが、今の私には、どうしてもこのくらいのペースでしか本が読めないんです。

小学校〜高校生まで、図書室の本は、ほぼ読破するほどの文学少女でした。

年間に、300〜500冊の本を読んでいた日々。

あの頃の集中力が、今はもうありません。

読み続ける事が、今の精神状態で出来ないんです。

辛いし、悲しい事。

でも、そのぶん、ゆっくりと読めました。

エッセイなので、読みやすいし、何よりも、お洋服は私の大好きな世界。

森さんなりの、おしゃれセンスを楽しめました。

森さんは、食いしん坊のおしゃれさんな作家さん。

で、お嬢様育ちで、その後戦争という人類の馬鹿げた出来事で、大変な時期を過ごされた方でもあります。

その中で、ご自分なりのセンスでの洋服の描写が、細やかで、あでやかで、とても素敵です(他のエッセイや、小説「食魔」など、食べ物の描写もお見事です)

本の帯に

「どんな日でもお金さえあれば、好きな服が買いたかった」

というのは、激しく同感!!

今は、家の中に引きこもっているので、本当に、980円のTシャツとスパッツくらいでも十分なんですけれど、すごく不幸な気分になるんですよね〜現実問題、洋服に使えるお金は無いんですけれど、私も、洋服への執着心、半端じゃないです。

パリ時代のエッセイは、古きよき時代のパリの香りが、森さんの視点と感性で、まるで絵画を見ているように、文字が映像のように脳裏を横切ります。

三島由紀夫などの作家や、黒柳徹子さんまで登場するのも、面白いです。

(徹子さん、おそるべし★)

「見につけるものの色彩には神経質だが、質の不調和は念頭に無い。仕立代を入れて9000円はする(その当時です)はするお召に染めさせた帯で、380円の編み袋をもって歩く」

というくだりに、森さんなりの価値観というか、センスの「ステージ」を感じずにいられない。

ユニクロ着て、モノグラム柄のルイヴィトンのバッグに、荷物をパンパンに入れて方から下げて持ち歩いている若者とは、雲泥の差があることを、改めて実感した。

質の不調和という事では同じのようで、そこに「美意識」は無いのだ。

本を読み返す事はあまりない私だけれど、また、ゆっくり読み返したい本です。